呪術廻戦147話で死亡した夜蛾正道。その死は唐突でした。
五条悟の封印を契機として、呪術界の上層部が夜蛾を渋谷事変を教唆した首謀者とでっちあげ、死刑処分としていました。
夜蛾の出番がそれほど多くなかったのですが、個人的には、会社などの組織内で良くありがちなこういう「事実捻じ曲げ」が大嫌いなので、僕は夜蛾の死に結構感情移入してます。
漫画にこんな突っ込みを入れても仕方ないですが、呪術界の上層部は、組織の意思決定機関として終わってますね!
あと呪術廻戦では珍しくないと思いますが、天元&虎杖たちの死滅回遊向け作戦会議の回が前話で、夜蛾の死はあまりに唐突でした(別に悪い意味ではありません)
しかしこのタイミングで夜蛾が死を迎えることには意味があるはずです。芥見先生は、面白くなるならキャラを殺す、と仰ってますしね。
この記事では、夜蛾学長が死亡したことに対する感想や、その意味を「なぜ」や「今後どうなる」という視点で考察していきます。
※こちらの記事はネタバレ内容を含みますのでご注意ください
Contents
夜蛾正道の死に対する個人的な感想
腐りきった呪術界上層部に現実世界の「事実の捻じ曲げ」を想起
夜蛾が死亡する147話が本誌に掲載された際に、以下のようなツイートをしました。
長年、日系大企業の企画や戦略コンサルで働いてきた僕としては、「事実の捻じ曲げ」を嫌とというほど見てきました。
役員や上司の意見を補強するために分析で得られた事実を都合が良いように解釈してまとめなければいけない、とか。
事実に基づかない勝手な思い込みで「君はこういう人間だ」「こういうところが良くない」と言われたりとか。誰しも恐らくこのような経験はありますよね。
会社組織や仕事のような固い話でなくても、情報が際限なく行きかう現代で、芸能人・有名人の噂やSNSでのコミュニケーションを始めとして事実の捻じ曲げは頻発していると思います。
まあ流石に、現実は夜蛾のケースほど極端に酷くはないんですけどね。
潔すぎるほどに死罪を受け入れている夜蛾に違和感
それにしても、夜蛾の言動に僕は大きな違和感を感じています。あまりにあっさりと死を受け入れていた夜蛾が気になりませんでしたか?
呪いですよ…ですよ 楽厳寺学長
呪術廻戦147話 夜蛾正道のセリフより
私からアナタへの呪いです
パンダのように感情を持ち、呪力を自己補完する特別な呪骸の創成方法を問われ、黙秘を続けていた夜蛾。
それを話せば生き延びることができたにも関わらず、楽厳寺にやられてしまいました。
それだけではなく、楽厳寺に倒された後に、黙秘していた特別な呪骸の創成を楽厳寺に伝えます。
楽厳寺が言っているように、だったら初めから話しておけば良かったにも関わらず、このような一見不可解な行動をとった理由は何なのでしょうか?
夜蛾本人が「息子」と呼んでいるパンダや他の呪骸と会い父親として存在し続けること。
高専を学長として支えること、渋谷事変後の東京・日本を救い羂索の狙いを挫くことより、「楽厳寺への呪い」が重要だったのでしょうか。
いや僕にはそうは思えません。ちょっと腑に落ちないですね。パンダによれば楽厳寺とは「仲が悪くなかった」程度で特別な間柄ではなさそうですしね。
夜蛾の立場から考えると、何か他の裏の理由がありそうです。
夜蛾の情報はかなり限られているのであくまで推論ですが、自分自身の術式を利用・悪用されるのを拒んだ、というのは考えられますね。
前述の通り、上層部は夜蛾の特別な呪骸の創成方法を知りたがっているので、それを利用して戦力補強のために軍隊を作るというのは考えとして無くはなさそう。
夜蛾の死の真相は、今後(さらっと)明らかにされる伏線の1つとなるかも知れません。
夜蛾正道の死亡に何の意味がある?なぜこのタイミングなのか
やや唐突にも思える夜蛾の死ですが、何かしらの意味があるはずなので考察してみます。
僕が思うに、夜蛾正道の死には以下のような意味合いがあります。
夜蛾の死がもたらす意味
高専サイド(東京)と上層部との対立が深まる
傀儡呪術学の第一人者の術式「傀儡操術」と技術が喪失される
楽厳寺学長への呪い
五条悟の数少ない味方がまた一人減る
パンダや日下部を中心とした高専メンバーの奮起・覚醒が促進される
個人的には、1点目がストーリー上の大きな影響としてあり得るかな思っています。
呪術師側も一枚岩ではなくて、ざっくりとした分けで言うと、上層部を中心とし楽厳寺も属する保守派と五条悟を筆頭にするリベラル派のような構図になっています。
リベラル派(僕が勝手に呼んでいるだけですが)は、渋谷事変前はほぼ五条のみなイメージです。
しかし、夜蛾学長の死後は虎杖・伏黒・乙骨・パンダ・真希などの世話になった高専メンバーが、保守派に対する反発を強める可能性があります。
登場済の主な高専メンバーは、既に呪術総監部の通達を無視して五条の復活や虎杖との共闘を進めていますが、更に対立が激化しそうです。
夜蛾に恩があるけども元々は規定側の日下部はどうするか微妙なところ。
そして死滅回游前に夜蛾の死を挟んだということは、死滅回游でこの対立構造が浮き彫り・表面化するのかも知れません。保守派と考えられる禪院直哉が絡んでくる可能性もあるかもですね。
メインの対立軸が少ないと話がシンプル過ぎますし、公言している通り芥見先生が影響を受けているハンターハンターのように多数軸の対立や思惑があるとより面白くなる気がします。
また2点目について少し思考を深めると、呪術廻戦147話で語られたパンダのような呪力を自己補完できる呪骸を無尽蔵に作れる、というのは結構チートに近いですよね。
作者的な視点になってしまうんですが、だから死滅回游の前に退場してもらおう、という考え方はあるかも知れません。
まとめ:呪術師に悔いのない死などない
夜蛾は、過去に「呪術師に悔いが無い死などない」と語っていました。
夜蛾自身も、死後に残されるパンダを始めとした呪骸や五条悟他の高専メンバー、また描かれてはいませんが過去に助けられなかった命を思い死んでいったのではないでしょうか。
冒頭も書いた通り、その唐突な死に面喰いましたが、今後の呪術廻戦のストーリーへの影響や楽厳寺学長への”呪い”についても見逃せないですね。
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