『ワンピース』953話で明らかになったのが、牛鬼丸の正体が狐のオニ丸だったということでしたが、このワノ国編ではどうも「狐」が大きな意味合いを占めていることが今までの描写から伝わっています。
例えば、ワノ国編の開幕や終幕で度々登場していた「狐面」の女性。
オロチ城の宴会でこの女性の正体が花魁“小紫”であることが判明しましたが、小紫もまたワノ国編の重要人物であるため、そんなキャラクターが被る面の「狐」にもまた重要な意味があると考えます。
そしてまた狐のオニ丸も、鈴後の元大名である「霜月牛マル」の相棒だったという、非常に重要な立場でした。
何故ここまでワノ国では狐が重要視されているのか、考察しました!
Contents
花魁小紫の狐面
まずは花魁小紫がつけている狐面について。
ワノ国編開幕の時に女性がつけていた狐面と同じものであり、髪型や服装も一致するので、この女性は小紫だったことがほぼ確定しています。
更に言えば、小紫は光月日和であることもほぼ確定。
髪の色や髪飾り、おトコと共に行動していることからも、おおむね間違いないでしょう。
ではなぜ小紫は重要な場面で、狐面を着けて演出のような役割を演じているのでしょうか。
小紫=日和は狂言回しの役割
このときの小紫の役割はおそらく、「狂言回し」のような役目なのでしょう。
「狂言回し」とは、物語の場面転換や話の進行をする語り部のことです。
狐面を着ける小紫も、自らがワノ国の登場人物というよりも、一旦この場を俯瞰して見る立場というか、ワノ国の物語を外から見ているようにも感じますよね。
ここからは推測ですが、もし光月トキのトキトキの能力を、日和が自然と受け継いでしまっていたとしたら…?
本人はそのことを知ってか知らずか、という体で、ですが。
日和がトキトキの能力を受け継いだ?
光月トキは20年前におでん城が焼かれた際に共に命を絶つことになってしまいました。
そのため、現在トキトキの能力が誰の手に渡ったのかはいまだ不明です。
ただもし、このとき光月トキの一番近くに寄り添っていた光月日和が、何らかの方法で能力を受け継いでいたとしたら…。
マザー・カルメルの力をビッグ・マムが受け継いでいたり、スマイリーの力が近くにあったリンゴに宿ったように、光月トキの一番近くにいた日和にトキトキの能力が付与されていたとしても不思議ではありません。
もしこれが正しければ、ワノ国編開幕時の日和は全く別次元の存在であり、未来からこのワノ国の物語を見ている、ともいえるのでは。
後々日和は三味線を弾くだけでなく、語り部としてワノ国編で役割を担う可能性もありますね!
狐面を着ける理由
ではなぜ、小紫が三味線で曲を弾くとき、狐面が選ばれているのでしょうか?
また、狐面を着けて演奏する「この曲」もどういった曲なのか気になるところです…。
オロチは「くるしゅうない!」と言っていますが、たいていオロチの価値観はワノ国の民衆とは真逆ですよね。
康イエの処刑時、SMILEで強制的に笑わされているえびす町の住民の姿を見て、「笑ってあの国へ送ってやれ!天国と見紛うばかり!」などと非常に残忍な捉え方をしています。
つまり、オロチにとっては気にいる曲であっても、日和を始めワノ国の善良な民衆にとっては強烈に辛い思いを呼び起こす曲だったりするのかもしれません。
例えば、カイドウ百獣海賊団がワノ国のすべてを襲撃して、苦しく恐ろしい感情が蘇ってくるような…。
そして、この曲を小紫が弾くときは、決まって面を着けるということでした。
おそらくはお面を着けなければ弾けない=泣いて泣いてたまらなくなってしまうのではないでしょうか。
光月トキを思い起こさせる曲?
もしかしたら「この曲」は、20年前に死に際の光月トキが歌った曲なのかもしれませんね。
光月トキが死に際に残した言葉について、居眠り狂死郎はこのように伝えていました。
20年前…!燃える城の前でおでんの奥方はこう言って息絶えたという
“月は夜明けを知らぬ君”
“叶わばその一念は”
“二十年(はたとせ)を編む月夜に九つの影を落とし”
“まばゆき夜明けを知る君と成る”
引用:ONE PIECE
狂死郎自身は、「こう言って息絶えたという」と言っているように、直接光月トキの言葉を聞いたわけではなさそうです。
そのため、この「詩」ともいうべき言葉が、本当は「歌」の可能性もあるわけですね。
つまりこの歌を「曲」として日和は覚えていて、演奏する際には光月トキのことを思い出してしまう。
この曲には、「光月家が滅ぼされてしまったという悲しみの事実、そして20年後の復活の兆し」のようなものが詰め込まれていて、やはり光月家である日和は当時を思い出しやすいため、狐面を着けなければ演奏できないのでしょうね。
狐は「人をだます」
ではなぜ演奏する際に選んでいるお面が「狐」なのか、ということですが、やはりこれは日和=小紫が「騙している」からだと推察します。
この「だます」矛先は、演奏を聞いている人たちのこともそうですし、自分自身のこともそうでしょう。
狐面を着けることによって、自身の本当の感情を隠しながら演奏することができる。
そのため、オロチのことを変に怒らせたり気分を悪くさせるという事はないわけです。
狐面という無表情にも見える中ですから、演奏の音にだけ集中させることができます。
本当は小紫=日和はとても悲しいはず。
ですがそれを見られてしまったら小紫としては生きていけなかった。
そのために敢えて隠していたのでしょう。
あとは自身をもだますということ。
日和として過ごしてからゾロに漏らした本音は、「オロチは私の手で殺したいくらい」という素直な気持ちでした。
この気持ちをどうにか隠しながら演奏しなければならなかったので、狐面が必要だったのでしょうね。
牛鬼丸は狐「オニ丸」
さて、『ワンピース』953話では、牛鬼丸の正体が鈴後の元大名である霜月牛マルの相棒、狐のオニ丸だったことが判明しました。
ここでも「狐」だったんですね。
単にこの狐のオニ丸は、だまそうとしてずっと牛鬼丸として活動していたわけではありませんでした。
もともと牛鬼丸として活動していた河松がいなくなってしまい、河松の代わりにと牛鬼丸を引き受けていたのです。
なのである意味、本当は牛鬼丸じゃないけど騙しながらも河松のために武器を貰う!と目の前の相手と戦っていたのかもしれませんが…。
どちらかというと牛鬼丸自体はタヌキ顔だったのでタヌキでも良かったのかもしれませんが、それはワノ国的にちょっと違う、ということなんでしょうね。
ゾロの名前もある意味「狐」
麦わらの一味の中でもワノ国編で特にクローズアップされているのが、大剣豪を目指すロロノア・ゾロ。
今現在は日和と行動を共にして、牛鬼丸に奪われた「秋水」を取り戻そうとしています。
まぁそれも、日和に阻まれそうですが…どうやら別の方法を検討、とのことで。
で、ゾロなのですが、スペイン語にすると「ZORRO」となります。
この「ZORRO」は実は単語自体の意味があって、それが「オスのキツネ」なんですね。
ここでも狐!!
やはりゾロがこのワノ国で一番と言っていいほどクローズアップされているのは、「狐」に関連していたから?なのかもしれませんね。
狐がワノ国編で重要な意味のまとめ
今回はワノ国編で多く登場している「狐」関連についてまとめてみました。
やはりこうして見ると「狐」に関わるものは多いですね。
今後もまだ登場してくるかもしれないので、その際は追記していきます!
ワノ国編のちょっとしたポイントであり、かつ重要な「狐」。
また現れるのを楽しみにしていましょう!